稲葉浩志さん、50歳のお誕生日おめでとうございます!

40代最後の1年は、稲葉さんにとってどのような時間だったのでしょうか。


鮮烈に記憶に焼き付いているのは、昨年のPleasureツアーのホール公演で着用していたシャツに刻まれていた「Enter by the narrow gate」。直訳すれば「狭き門をいけ」となります。


ライブ映像を見返してみると、この「Enter by the narrow gate」が稲葉さんのシャツに初めて登場したのはC'monツアー。

東日本大震災の年から背負った「Enter by the narrow gate」。そのタイミングに深い意味を感じるのは、私の邪推でしょうか。

未曾有の災害からの復興へと続く道を狭き門というのか、原発を捨てた社会の行く末を狭き門というのか、はたまたそれ以外のなにかを狭き門と例えているのか。

「Enter by the narrow gate」に込められた真意は当然私にはつかめませんが、稲葉さんなりの信念が2011年から現在まで続いていることはわかります。それはきっと稲葉さんにとっての心に彫り込んだ念書なのでしょう。


そしてB'zの記念すべき25周年に、「Enter by the narrow gate」が歌詞として立ち現われました。『ユートピア』です。

あり得ないと決めて安心するのはやめて
描きなおしてもいい
遠い日の落書きのユートピア
辿り着けるようにやりましょ


自らが描いたユートピアに辿り着くために、今何をすべきかを決めて突き進んでいく。

その道程は、できることとできないことの応酬。希望と失望が交互に繰り返される険しい道程、すなわち狭き門に違いありません。稲葉さんはその道を【行け】と諭します。


そしてこの想いは、『Golden Road』へと続きます。

信じた道なら行けばいい
涙がぼろぼろこぼれても
たとえその途中でぶっ倒れても
そこで命が燃え尽きても
信じた道だけ行くために
僕らは生まれてきたんだろう
輝く瞬間を知るために
暗闇を駆けぬけてゆくんだよ


狭き門を行く理由、それは、輝く瞬間を知るため。



客観的に見て、稲葉さんにとってこの1年は、かなりチャレンジングな1年だったように思います。

ソロサイト「en-zine」を立ち上げ、予告なしに新曲を配信、言葉ありきと明言されたソロアルバムの発売、同じ箱での連続公演、対談。

さまざまな「初めて」の連なりに思うのは、稲葉さんが何かを手さぐりで模索している姿。きっとその何かとは、「輝く瞬間」なのでしょう。


その様をみてファンは笑わないし、憐れまないし、無視もしません。稲葉さんが何かを求め、さまよう姿こそ、ファンにとっての希望です。喜びです。願いです。

これからの1年が、輝く瞬間へと続く、稲葉さんにとって最良の1年になることを、心から願っております。
 
○参考作品○
◆B'z 『ユートピア』(作詞:稲葉浩志/作曲:松本孝弘)
『ユートピア』の全歌詞はこちらをご覧ください。

◆稲葉浩志 『Golden Road』(作詞:稲葉浩志/作曲:稲葉浩志)
『Golden Road』の全歌詞はこちらをご覧ください。