宇多田ヒカルの楽曲を、著名なアーティストがカバーしたものをおさめている、ソングカバーアルバム「宇多田ヒカルのうた -13組の音楽家による13の解釈について-」が12月9日に発売されました。

これは宇多田ヒカルの、デビュー15周年を記念してつくられたもの。今なお第一線で活躍しているアーティストが参加していて、もちろんヒッキーサイドの「オフィシャル」の冠つき!

いろんなことをひっくるめて、非常にスペシャルな作品であることは間違いありません。


単なるカバーというよりも、「解釈」という点に重きを置いているというか、これがこの作品のコンセプトだと思います。それぞれの楽曲を聴けばわかりますが、その楽曲を歌うアーティストの個性や感性によって、原曲の別の扉が開かれているような感覚があります。

同じ曲でも、違う人が歌えば、受ける印象が違うって、あたりまえやん! って思うでしょうが、「違う」だけではおさまらない感想や感情の波が、心の中で起こります。

「巧い」とか「下手」とか、そういった「ものさし」ではなりきれない魅力が、このアルバムには内包されているように感じました。


ちなみにYoutube上で、いくつかこのアルバムに収録された曲がアップされているので、その中から特に私が好きな作品をいくつか貼っておきます。


井上陽水さんによる『SAKURAドロップス』の解釈。

これはもう・・・揚水ワールド・・・(笑)。原曲を崩しに崩しまくって、陽水色に染め上げちゃったパターン。

宇多田ヒカルが作ったイメージを完膚なきまでに崩壊させたあと、ゼロから曲を組み上げていった感じに近いですが、もうさすがと言うしかないほどのすばらしさ♪

ここまでアレンジされたら、いろんな意味でグーの音も出ないです、はい(笑)。



椎名林檎さんによる、『Letters』の解釈。

メロディーラインは原曲に忠実ですが、ほとばしる「色気」と「哲学の香り」は原曲にはないもの。

林檎姫によって歌われる楽曲は、すべて「色気」と「哲学の香り」を含んでしまうのでしょうか。

大人の階段を1段飛ばしペースで駆けのぼっていく『Letters』、好きです私♪

 

浜崎あゆみさんによる、『Movin' on without you』の解釈。

これはクオリティーの高い解釈です。個人的にはこれが一番好き!

原曲の良さに、浜崎さんの個性が加わった感じ。語尾に強く出ている声が上がる感じが、実にあゆっぽいですが、それが見事にこの曲とマッチしています。まるで、もともとあゆの曲みたいに感じるほど(笑)。

歌いこなしてる浜崎さんもすごいけど、今しっかりと聴いても色褪せない、違和感のない曲を14、5年前に作ってるヒッキーもやっぱすごいなぁ。



上記3曲以外に、『Automatic』(岡村靖幸)、『Flavor Of Life』(ハナレグミ)、『FINAL DISTANCE』(AI)、『Be My Last』(吉井和哉)、『光』(LOVE PSYCHEDELICO)、『For You』(加藤ミリヤ)、『Stay Gold』(大橋トリオ)、『time will tell』(tofubeats with BONNIE PINK)、『Keep Tryin'』(KIRINJI)、『Sanctuary』(Jimmy Jam & Terry Lewis feat. Peabo Bryson)が収録されています。


超豪華で、ヒッキーの良さや各アーティストの魅力を再発見できるアルバム『宇多田ヒカルのうた -13組の音楽家による13の解釈について-』。おすすめです!