料理をする女性
2015年2月24日(火)にテレビ朝日系列で放送された「林修の今でしょ!講座」の前半のテーマは、「科学×料理 料理が簡単に美味しくなる最新調理法講座」でした。


「科学」と「料理」が出会うと、すばらしいことが起きる! そんなことを感じた講座内容でした♪

料理をおいしく作るにはやはりある程度の腕が必要。誰しもがそう思ってしまいますが、そこに「科学」という角度をはさみますと、料理の腕関係なく、誰もがいとも簡単においしい料理が作れるようになります!

特段難しいことをするわけではないのに、プロ級のおいしい料理が作れてしまうという、魔法のような調理法は革命的♪


「科学」と「料理」を掛け合わせた最新の調理法をレクチャーしてくれたのは、フランスの調理師学校を首席で卒業しれたフランス料理シェフ・料理研究家の水島弘史さん。

現在、1か月分の予約がたった2分で埋まるものすごい人気シェフなんだとか♪


番組内では、「ハンバーグ」、「チャーハン」、「煮魚」という3品目の科学的調理法が紹介されていました。

以下、本記事では、「科学的なおいしいハンバーグの作り方」を簡単にまとめましたので、料理が苦手な方、おいしい料理が作りたい方はぜひ参考にしてみてください!

ハンバーグ
科学的調理法とは
科学料理のポイントは、うま味を閉じ込めるということ。

高級な素材を使うわけではなく、平凡などこのスーパーでも売っている食材を使い、それら食材がもっているうま味を最大限に引き出すというのが、科学料理のベースになります。 
水島シェフいわく、科学的な法則に沿って料理を行えば、誰でも簡単においしい料理が作れ、そのおいしさは三ツ星レストラン級とのこと!

しかし、この「科学的な法則」というのがクセもので、どれもこれもこれまでの料理の常識を覆したり裏切ったりするものばかりで、大変驚きました。

わざとこれまでの料理の常識と逆になるようにしてない?とツッコミを入れたくなるくらい、見事な逆(笑)。

しかしどのやり方にもちゃんとした理屈・科学的根拠があるので、必ずおいしくなるんだとか。しかも嬉しいことにレクチャーされた方法はやさしくて簡単なものばかり♪

さっそく明日の晩御飯にでも試してみたくなるような手軽さです!



科学×ハンバーグ
科学的においしいハンバーグとは、お肉のうま味を徹底的に閉じ込めたハンバーグのことを指す。

このハンバーグの特徴は、切った際に肉汁がほとんど溢れでない点。お肉の細胞の中に、うま味がしっかりと閉じ込められている状態を目指す調理法。 
以下、「①玉ねぎを切る」、「②味つけ」、「③お肉をこねる」、「④焼く」、「⑤ソース作り」という5つのステップに分けて、科学的ハンバーグ調理法を解説します。


①玉ねぎを切る。
包丁を前後にスライドさせて切るようにします。

上記の切り方をすると、玉ねぎを切っても涙が出ません。そもそも玉ねぎを切って涙が出るのは、玉ねぎの細胞が潰れ、玉ねぎのうま味(=硫化アリル)も壊してしまっている状態。

逆に言えば、涙の出ない「包丁を前後にスライドさせる切り方」は、「玉ねぎのうま味を逃さず、閉じ込める切り方」というわけ。

加えて、包丁にも切るために最適な場所(=スイートスポット)があり、それは真ん中よりも前の部分。この部分を玉ねぎに当て、音をたてないように前後にスライドさせて切れば、玉ねぎのうま味は逃げません!



②味つけ
味つけに塩を加える際の、適切な塩分量は、全体量の0.8%になります。

なので、例えばひき肉120gでハンバーグを作る場合の適切な塩分量は、120×0.0008という計算式で、1gほどが最適な量ということになります。


「0.8%の塩分量」がなぜベストかというと、人間の体の塩分量は、体内の水分に対して約0.8%~0.9%ほどであるため、この比率をもっともおいしいと本能的に感じるんだとか。

素材の総重量に対して、0.8%の塩分を使うという科学的な調理法は、ハンバーグはもちろん、それ以外のあらゆる調理にも応用できますので、これは覚えておいて損はないです!



③お肉をこねる
科学的調理法では、手でこねません。

お肉は、約30℃ほどの温度で焼ける現象が起こってしまうので、手でこねていると体温が肉に伝わり、火が通り始め、肉同士がうまくくっつかないという現象が起こってしまうのでNG。

手でこねる代わりに、すりこぎ棒でお肉を突くようにしてこねていきます。

すりこぎ棒でお肉を突いていると、肉の粒が見えなくなってきます。最終的に、すりこぎ棒を突いて引き上げる時に、ボールが浮き上がるくらい粘りがでればOKです。

この状態だと、お肉同士が非常にうまくくっつき、お肉のうま味が中に閉じこもっています。


このうま味をたっぷり含んだ状態のお肉へ、①の玉ねぎ、パン粉、②の塩、溶き卵、牛乳を加えて、全体が混ざるようによくかき混ぜます。

全体がよく混ざったら、軽く手でこね、形を丸く整えたら成形完了!



④焼く
冷たいフライパンから焼き始め、最後まで弱火で焼き通します。

普通ハンバーグを焼く場合は、最初強火で、途中から弱火にしてという具合に、火加減をあれこれと変更しますが、科学的調理法の場合はそれはしません。逆にしたらNGですので要注意です。


まず最初に熱していない状態のフライパンに油を敷き、③で成形したお肉を入れます。この際、お肉の中央にくぼみを作る必要はありません。

そして火を入れますが、弱火にし、約10分ほど火を通していきます。

弱火で焼く理由は、お肉に急激な温度変化を与えると、お肉のタンパク質が急激に縮んで水分が出てきてしまうため。この水分の中にはお肉のうま味も入っているため、それを逃さないようにする上で、弱火がベストというわけですね。


途中、ハンバーグから出てきた脂を、キッチンペーパーで全部とります。ハンバーグを焼いて出てくる脂には、アクが多く含まれているため。


ハンバーグの下半分ほどが白くなってきたら、裏返すタイミングです。


表面が少しふっくらと盛り上がり、中から少し脂が出てきて、汗をかいたような表情を確認できたら、焼き上がったという合図です。



⑤ソース作り
バルサミコ酢を使って、ソースを作っていきます。

バルサミコ酢を熱し、酸味を飛ばします。バルサミコ酢を加熱すると、酸味が蒸発し、ブドウ由来の甘みとうま味が残ってくれるので、抜群においしいソースの下地になってくれます♪

作り方も超簡単。
①フライパンにバルサミコ酢(25g)を入れ、強火で加熱する。

②フライパンを火から離しても、泡がぶくぶく出てくるまで加熱したらOK。

③0.8%の塩分量、すなわち0.1gの塩を入れ、少しずつバターを溶かしていけば完成。 
上記の手順で、簡単に超おいしいソースが作れます♪

手順も簡単なら、使ってる材料も「バルサミコ酢」、「塩」、「バター」の3種類のみと少ない! なのでほんとに簡単に作れちゃいます。


で、焼き上がったハンバーグに、このソースをかければ科学的においしいハンバーグの完成!



さいごに
実際にこの科学的ハンバーグを試食した林先生いわく、「普段食べていたものは、肉汁が流れ出たあとの肉のカスの味だったんですね。肉の味はこれなんだ!」と、その味を称賛していました♪

確かに完成したハンバーグはカットしても肉汁は流れ出ていませんでしたが、これが理にかなったおいしいハンバーグなんですね!

まだ肉汁があふれでるハンバーグをおいしいと思う頭なので、違和感はありますが、実際に試してみたいと思います。

料理好きの方もぜひチャレンジしてみてください!

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