野菜1
2015年10月6日(火)にテレビ朝日系列で放送された.「林修の今でしょ!講座」は、「『秋野菜』『調味料』『世界遺産』について学ぶ秋の豪華3時間SP」でした。

今回の「林修の今でしょ!講座」では、秋に抜群においしくなり、加えて高い健康効果が期待できる秋野菜がランキング形式で紹介されていました!

この講座は、野菜ソムリエの資格を持つ、管理栄養士の岸村康代先生が担当している人気講座で、季節が変わるごとに特集されていますよね。


で、今回取り上げられたのは「秋野菜」。

食欲の秋・実りの秋という言葉があるとおり、秋はさまざまな食材がおいしい盛りを迎える季節です。秋の味覚というと、秋刀魚などの青魚に意識がいってしまいがちですが、実は「野菜」もおいしくなる季節なんです♪


番組内では、野菜を知り尽くした野菜ソムリエ兼管理栄養士の岸村先生が、この秋に食べるべき、いや食べないと損の秋野菜を紹介していました。さらにそれら秋野菜をより一層おいしく&内包された栄養素を残さず摂取できる調理法・料理も併せて紹介されていました。


以下、番組内で紹介された「この秋に食べるべき秋野菜ベスト6&調理法・料理」を簡単にまとめました。

野菜好きの方は、ぜひ食生活の参考にしてみてください♪

フライパンを使う女の子
第6位:エノキタケ
心筋梗塞や脳卒中といった血管疾患対策におすすめなのが、エノキタケです。

このエノキタケに入っている「キノコキトサン」という新栄養素が、血管疾患対策に有効とのこと。

「キノコキトサン」とは、細胞壁に含まれる、キノコ特有の多糖類にあたります。

「キノコキトサン」は、血管が詰まる一因である悪玉コレステロールを減少させ、血管疾患対策につながると期待されているとのこと。


またエノキタケには、この「キノコキトサン」以外にも、胃がんのリスクを大幅に減少させる効果も期待できるんです。これは、国立がん研究センターと長野県農村工業研究所などが456人を4年間に渡って追跡調査し、わかった事実とのこと。

胃がんのリスクを下げるメカニズムはまた詳細には解明されていないものの、こういった研究データがあるというのは心強いですよね。


◆栄養を逃さない調理法
調理の際、エノキタケの栄養素を逃さないために心がけるポイントは2つ。

ひとつは、汁ごと食べること。

エノキタケの栄養成分のほとんどは、水に流れでる水溶性なので、茹で汁ごと食べるのが重要。味噌汁なんかはピッタリですし、鍋の場合は、雑炊にすることで逃さずに栄養を摂ることができます。


ふたつ目のポイントは、細かく切ること。

「キノコキトサン」には、加熱したり細かく粉砕することで、栄養の吸収が高まる性質があります。なので、細かくカットしてあげることで、無駄なく「キノコキトサン」を摂取できるというわけですね。



第5位:レンコン
脂肪肝(肝臓周りにつく脂肪)に有効な野菜が、レンコン。

慢性的に脂肪肝になると、糖尿病や肝硬変のリスクが上がってしまうので、対策が必要。そんな時に役立つのが、レンコンなんです。

レンコンに含有されている「プロアントシアニジン」という新栄養素が、脂肪肝対策につながると期待されているとのこと。

そもそも肝臓の中性脂肪のもとになるのは、脂肪酸という物質。「プロアントシアニジン」は、体内で脂肪酸が作られるのを妨害してくれる働きがあり、結果、脂肪肝を防いでくれるというわけ。


◆栄養を逃さない調理法
レンコンの栄養を逃さないポイントは2つ。

ひとつは、レンコンの皮も一緒に食べること。

実は捨てがちな皮にこそ、「プロアントシアニジン」がふんだんに含まれているんです。なので、捨てるのは非常にもったいない行為!


ふたつ目のポイントは、タコなどの魚介類と一緒に食べること。

タコには肝臓の機能を高めるとされる「タウリン」が含まれているので、脂肪肝対策には鬼に金棒の状態になるというわけ。



第4位:キクラゲ
キクラゲに多く含まれている「ビタミンD」は、風邪対策に非常に有効なんです。

そもそも血液中の「ビタミンD」の濃度が高いと、死亡率が低くて寿命が延びるという研究データが存在し、健康には欠かすことができないビタミンなんです。

詳しいメカニズムはまだ解明されていませんが、「ビタミンD」の免疫力を高める力が作用しているのではないかと考えられているとのこと。

そんな健康の心強い味方「ビタミンD」を超豊富に含んでいるのが、キクラゲなんです! その含有量はあらゆる食材でトップクラス♪

さらに岸村先生いわく、食べる前に日光に当てることで、キクラゲのビタミンDの量はさらに増えるとのこと。

これは、キクラゲに含まれる「エルゴステロール」が紫外線に当たることによって、ビタミンDに変わってくれるためです。

12時間日光に当てれば、生の場合と比べて約2倍も増えるんだとか! すごいですね~。


◆栄養を逃さない調理法
キクラゲは、しらすと合わせて食べるのが吉。

キクラゲのビタミンDとしらすのカルシウムが合わさることで、骨を強くする働きがアップしてくれるほか、心臓の働きも助けてくれるんだとか。

またたんぱく質は、体内でビタミンを運ぶ役割を果たしているので、たんぱく質を多く含む卵や厚揚げと一緒に食べるのも非常に良いとのこと。



第3位:玉ねぎ
玉ねぎは、動脈硬化対策に有効だとされています。

玉ねぎは春の野菜というイメージが強いですが、実は生産量日本一の北海道の旬は秋に当たるとのこと。まさに今が一番おいしい時期というわけですね♪

玉ねぎに含まれる「ケルセチン」という栄養は、血管年齢を大幅に若返らせてくれる効果が期待できるんです。

「ケルセチン」には、血管をしなやかにする働きがあるため、摂取すれば、若々しい柔軟性のある血管になることができるというわけ。

血管の中にある「一酸化窒素」が血管を拡張し、しなやかな状態に保っていてくれます。しかし、血管内に活性酸素が発生してしまうと、一酸化炭素の働きが弱まり、血管は硬くなってしまいます。

「ケルセチン」には、活性酸素を弱らせる作用があるので、結果、一酸化窒素の働きが戻り、血管はしなやかさを取り戻すというわけです。

この「ケルセチン」が、あらゆる食材の中でもっとも多く含まれているのが玉ねぎなんです。


ちなみに玉ねぎのケルセチンを増やす上では、玉ねぎを1週間日光に当てておくと良いんです。

1週間日光に当てることで、ケルセチンの量は約4倍近く増えます。ポイントは皮をむいて干すようにすること。


◆栄養を逃さない調理法
ポイントは、油で揚げて食べること。

「ケルセチン」は水溶性の成分のため、油で調理し、溶け出さないようにするのが大切です。

ちなみに生で食べてもOKなんですが、普通生で食べる時は水にさらし、辛味を緩和させますよね。この水にさらした時に、「ケルセチン」が水に溶け出てしまうので、非常にもったいないんです!

なので、「ケルセチン」を無駄なく摂取するうえでは、油で揚げるのがベスト♪



第2位:紫いも
肝臓を元気にしてくれる野菜が、紫いも!

紫いもに入っている「アントシアニン」という栄養素が、肝臓の働きを助け、肝臓を元気にしてくれるんです。

ちなみに普通のさつまいもにも「アントシアニン」は含まれていますが、紫いもの含有量はそれよりも非常に豊富。というのも、紫いもの紫色は「アントシアニン」由来なので、多く含まれているのも納得ですね。


「アントシアニン」には血糖値を下げる効果が期待できるんです。

そもそも私たちの体内では、α-グルコシダーゼという酵素が糖を分解して吸収しやすくしてくれています。アントシアニンは、このα-グルコシダーゼの働きを弱めてくれるので、糖が分解されにくく&吸収しにくくなるため、血糖値の上昇をゆるやかにしてくれる、というわけ。


◆栄養を逃さない調理法
ポイントは、汁ごと食べること。

アントシアニンは水溶性の成分のため、汁まで逃さず摂れるようにリゾットにして食べるのがオススメ。


また豆乳と合わせて摂取するのもおすすめとのこと。

豆乳には、血中の中性脂肪や内臓脂肪の蓄積を抑える効果が期待できるため、紫いもとの相性は非常に良いんだとか。


ちなみに調理が面倒な人は、蒸したりグリルにしても、逃さず栄養素を摂取できます!



第1位:ブロッコリースプラウト
「ブロッコリースプラウト」とは、ちょっと耳慣れない野菜ですが、水耕栽培させたブロッコリーの新芽のことで、カイワレ大根のような見た目をしています。

「ブロッコリースプラウト」は秋野菜ではないものの、この時期に食べるべき理由がしっかりとあるんです。


「ブロッコリースプラウト」に含まれる「スルフォラファン」という栄養素がたっぷり含まれているのがポイント。

「スルフォラファン」のスゴイところは、抗酸化力の持続力! なんと摂取してから3日間も抗酸化力が持続してくれて、抗酸化力の代名詞であるビタミンCとの差は、驚きの20倍以上!


さらに「スルフォラファン」には、ピロリ菌を減少させてくれる効果が期待できるため、胃がん対策にも有効。


加えてメラニン色素を作る働きも抑えてくれるので、美肌を手に入れたい女性の方に、特にオススメの栄養素となっています!

抗酸化力に、胃がん対策、果ては美肌効果と、非常に魅力的な「スルフォラファン」。こりゃあ、「ブロッコリースプラウト」が食べたくなること必至ですね♪


◆栄養を逃さない食べ方
食べる際のポイントは2つ。

1つ目は、生で食べること。

加熱をすると、酵素の働きが弱まってしまうためおすすめできません。ベストは生で食べること!


2つ目のポイントが、よく噛んで食べること。

よく噛んで食べると、ミロシナーゼという酵素とよく合わせることができ、抗酸化力は高まってくれるんだとか。


【関連記事】
栄養素・スルフォラファンが豊富なブロッコリースプラウトをサラダで食べてみた!



さいごに
以上、番組内で紹介された「この秋に食べるべき秋野菜ベスト6&調理法・料理」の簡単なまとめでした。

身近な野菜に含まれる栄養素に驚いたのはもちろん、耳慣れない野菜の抜群の健康効果には度肝を抜かれましたね~。

ぜひ食生活の改善に役立ててみてください!