B'z
12月に入って、街は呼吸を合わせてクリスマスに向かっている感じですね。煌びやかに街全体をやさしく照らすイルミネーションはとても綺麗です。

B'zの冬の名盤にミニアルバム『FRIENDS』があります。

コンセプトアルバムになっており、最初の曲から最後の曲まで通しで聞くと、儚くも美しいひとつのストーリーになっています。


稲葉さんはこの『FRIENDS』の歌詞を、飛行機での移動中に書き上げたそうですが、物語は折り目だたしく「起承転結」の体をなしており、時に淡く、時に激しい心情の移ろいを、巧みに言葉と声で表現しています。

『FRIENDS』の中に、B'zファン以外にも人気がある『いつかのメリークリスマス』がおさめられています。この曲は、12月に入ると、ラジオなんかでもよく耳にするようになりますね。


いつメリは『FRIENDS』の2曲目にあたり、ストーリーで言うところの起の役割を担っています。

歌詞は、現実―回想―現実と展開され、別れた彼女との忘れられないクリスマスを思い出し、彼女に会いたいという想いが芽生える、という内容となっています。

いつメリの中で、主人公の男性が、彼女のクリスマスプレゼントとして椅子を買って帰るシーンがあるんですが、これが秀逸だなといつも思います。

指輪などの宝飾品でもなく、花でもなく、椅子なんですよね。

椅子を買うって結構勇気がいることです。付き合いだしてすぐに椅子って買えます? 買えませんよね。いくら彼女が欲しがっても躊躇しちゃいますよね。

彼女の家の雰囲気も知っとかないといけないし、逆にプレゼントらしいもの、それこそ指輪とかを渡したいって普通は考える。でも主人公は椅子を躊躇いなく贈った。

ということは、この二人の関係がそれほどまでに深いということが推し量れるんですね。「この二人はとても長く付き合っていて、深く愛し合っているんですよ」ということを、男性が、彼女のクリスマスプレゼントとして椅子を買うという場面で語るという巧みさ。


この『いつかのメリークリスマス』はクリスマスソングの定番ですが、歌詞の内容は、それほど似つかわしくない気がしないでもないですが…(苦笑)。

個人的に、『FRIENDS』の収録曲では『恋じゃなくなる日』が好きです。

メロディーがとても綺麗で、それに稲葉さんの切なくも潔さが香る歌詞が溶け込み、珠玉のバラードとなっています。

この曲の影響で、冬の海辺に赴きたくなります。私自身、冬の海になんの想い出もないんですが(笑)。


このピアノは、kamedayoriさんという方が弾いてらっしゃいます。

B'zの曲をピアノで素敵にアレンジして弾いていらっしゃって、B'zファンの間では有名な方です。私もこんなふうにピアノ弾けたらな~(苦笑)。

情感あふれる素敵な音色。kamedayoriさんの素敵な演奏はもちろんですが、やっぱり松本さんのつくるメロディーは美しいな~と改めて思います。