2015年10月10日(土)に劇場公開された映画『マイ・インターン』を観ました。
この記事では、『マイ・インターン』の感想・レビューを書いています。
以下、ストーリーに関するネタバレ情報を含んでいるので、読む際は十分注意してください。
マイ・インターン
監督:ナンシー・マイヤーズ
キャスト:ロバート・デ・ニーロ(ベン)、アン・ハサウェイ(ジュールズ)、レネ・ルッソ(フィオナ)、アダム・ディバイン(ジェイソン)、アンダース・ホーム(マット)
◆あらすじ
あらすじをざっくりまとめると、次のとおり。
ベンはシニアインターンとしてジュールズがCEOを務めるファッションサイトを運営している会社に入社。
ベンはジュールズのアシスタントになるも、最初はなかなか仕事を任せてもらえません。
しかしジュールズは次第にベンの優秀さ、そして何より人間としても温かさに気づき、距離を縮めていきます。
ジュールズには家庭の問題がありましたが、それもベンの直接的・間接的な手助けにより解決され、二人は互いを尊敬しあう素晴らしい間柄になっていきます。
1人の素敵なジェントルマンとの出会いによって、1人の女性が人間的に成長していくハートフルドラマ。
以下、個人的に素敵なだな・良いなと思った点、気になった点を簡単にまとめてみました。
ロバート・デ・ニーロの渋さと柔和さが同居したような表情に、アン・ハサウェイのクールさの中に愛くるしさが混じった魅惑的な表情の掛け合いが作り出す世界観はとても魅力的で、二人が織りなす空気感の中にずっと浸っていたいという衝動にかられました(´∀`)
ロバート・デ・ニーロの恰幅の良さとにじみ出る優しさが、見事に人生の大先輩役であるベンにマッチしていましたし、アン・ハサウェイのキュートさも含んだクールビューティーな感じが、これまたバリバリのキャリアウーマンでありながらも人間味を忘れていないジュールズにどハマりしていました♪
ストーリー自体も極めて良くできていたんですが、そのストーリーの骨格をより強固なものにしてくれていたのが、ロバート・デ・ニーロとアン・ハサウェイのナチュラルな名演技でしたね(^_^) まさにハマり役という感じ。
どちらも素敵でしたが、個人的にはロバート・デ・ニーロの演技の方が心に刺さりました。
常に温和で、自分自身の立ち位置や与えられた職務の意味を自覚しており、周囲への配慮と感謝を忘れない。
ベンのような先輩が職場にいてくれれば、どれだけ救われるか、と思いを巡らしてしまいました(苦笑)。
「起伏がない」というのは、一般的な映画の感想としては明らかなマイナス要素です。多くのおもしろいとされる映画や小説・漫画は、往々にして勧善懲悪。悪に善が勝つ、時に善が悪によって窮地に立たされながらも、最後には善が勝つからこそカタルシスが生まれ、「良い作品」という評価を得られます。
『マイ・インターン』には、「完全な悪」というのが存在しません。一応、ジュールズの夫が浮気をしており、それに思い悩むジュールズというのが、本作の悪的なポジションにあたると思われますが、「完全な悪」と評すには弱めです。
なので、往々にして『マイ・インターン』のストーリーは起伏がないという風に映ると思われますが、個人的にはその浮き沈みの少なさこそがこの映画の魅力かと('▽'*)
どういうことかというと、「破滅的な悪」や「圧倒的な絶望」のない方が現実味が強い、ということ。
家庭がうまくいかない、仕事が思うように回らないというような誰しもが経験するようなことが物語に自然と折り込まれ、それが最終的には救済されていくというのは、ある意味で私たちが最も手に入れたい理想でしょう。
その理想がスクリーンの中で完結された時の衝撃や感動というのは、時におどろおどろしい悪魔が、正義の味方の必殺技によって倒されるシーンのそれに勝るとも劣らないということを、『マイ・インターン』は教えてくれました♪
もう明らかにミッションインポッシブルのパロディーなんですが、なんかもう前後のストーリーとの乖離が凄まじくて笑ってしまいました(☆゚∀゚)
ぶっちゃけこのミッションインポッシブルのパロディーシーンがなくてもストーリーは繋がりますし、全体のストーリーを俯瞰してみた時に明らかにこのシーンだけ浮いちゃってて異質なんですが、なんか閑話休憩的な感じになっていて、観ていてとても和みました(笑)。
「緊張と緩和」という映画のセオリーをむりやりぶち込んでいる感じなんですが、逆にその異様さが心地よくなっているから不思議です(゚∀゚)
ジュールズの方がベンを煙たがっているんですが、徐々に二人の距離は縮まっていき、最後には互いを尊敬し、認め合う間柄になります。
その距離を縮める過程で使われていた小道具のひとつが「フェイスブック」でした。
フェイスブックの登録に手間取っているベンに、ジュールズが手を貸す形で、ベンの好きな言葉や尊敬する人など、ベンの人となりを知っていくというシーンがあるんですが、これが非常に巧みですね。
パソコンやインターネットに疎いベン、対してそういった類が得意で第一線で活躍しているジュールズという、いわば二人は両極端にいる間柄だということを浮き彫りにしつつ、それを親密になるきっかけに見立てているところが極めて巧みです。
このシーン、同時にピザ食べながらパソコンいじってて、パソコンが油でベタベタにならないかな・・・という変な心配もしてしまいました(笑)。
で、あるにもかかわらず、「ジュールズの夫が浮気をしている」という事実を提示するタイミングが遅すぎます。
鑑賞する側からすると、ジュールズ自身がいかにして夫の浮気と向き合い、心を傷めつつも、どうやってそれを乗り越えていくのかというところをじっくりと観たいのに、なんかパッと夫の浮気が出てきたら、あれよあれよという間に解決しちゃった、という印象を受けてしまうんですよね~。
このあたり、「浮気の事実」をもっとストーリーの前の方で提示しておかないと、なかなかジュールズに感情移入もできないですし、カタルシスも薄くなると思います。
この点がちょっと残念でしたね。
『マイ・インターン』はロバート・デ・ニーロ演じるベンが太極拳をしているシーンに始まり、同じく太極拳をしているシーンで幕を下ろします。
太極拳のあのゆるやかな動きが、まさに『マイ・インターン』の世界観を象徴していますね(^∀^)
ゆるやかに流れる日常の中にある見落としがちな人と人とのつながり、そしてそのつながりによって救われているという紛れもない事実。
そんなことを、『マイ・インターン』は私に語りかけてくれました。
人と人との出会いやつながり、それによって人の人生は好転していくということを固く信じたくなる、そんな素敵な内容・映画でしたね(☆゚∀゚)
※上記の評価・感想は、全て個人的な主観に基くものです。ご参考程度にしてくださいませ。
この記事では、『マイ・インターン』の感想・レビューを書いています。
以下、ストーリーに関するネタバレ情報を含んでいるので、読む際は十分注意してください。
マイ・インターン
監督:ナンシー・マイヤーズ
キャスト:ロバート・デ・ニーロ(ベン)、アン・ハサウェイ(ジュールズ)、レネ・ルッソ(フィオナ)、アダム・ディバイン(ジェイソン)、アンダース・ホーム(マット)
◆あらすじ
あらすじをざっくりまとめると、次のとおり。
ベンはシニアインターンとしてジュールズがCEOを務めるファッションサイトを運営している会社に入社。
ベンはジュールズのアシスタントになるも、最初はなかなか仕事を任せてもらえません。
しかしジュールズは次第にベンの優秀さ、そして何より人間としても温かさに気づき、距離を縮めていきます。
ジュールズには家庭の問題がありましたが、それもベンの直接的・間接的な手助けにより解決され、二人は互いを尊敬しあう素晴らしい間柄になっていきます。
1人の素敵なジェントルマンとの出会いによって、1人の女性が人間的に成長していくハートフルドラマ。
以下、個人的に素敵なだな・良いなと思った点、気になった点を簡単にまとめてみました。
キャラクターが魅力的
まずは何はともあれ、主演のロバート・デ・ニーロとアン・ハサウェイの二人が非常に魅力的!ロバート・デ・ニーロの渋さと柔和さが同居したような表情に、アン・ハサウェイのクールさの中に愛くるしさが混じった魅惑的な表情の掛け合いが作り出す世界観はとても魅力的で、二人が織りなす空気感の中にずっと浸っていたいという衝動にかられました(´∀`)
ロバート・デ・ニーロの恰幅の良さとにじみ出る優しさが、見事に人生の大先輩役であるベンにマッチしていましたし、アン・ハサウェイのキュートさも含んだクールビューティーな感じが、これまたバリバリのキャリアウーマンでありながらも人間味を忘れていないジュールズにどハマりしていました♪
ストーリー自体も極めて良くできていたんですが、そのストーリーの骨格をより強固なものにしてくれていたのが、ロバート・デ・ニーロとアン・ハサウェイのナチュラルな名演技でしたね(^_^) まさにハマり役という感じ。
どちらも素敵でしたが、個人的にはロバート・デ・ニーロの演技の方が心に刺さりました。
常に温和で、自分自身の立ち位置や与えられた職務の意味を自覚しており、周囲への配慮と感謝を忘れない。
ベンのような先輩が職場にいてくれれば、どれだけ救われるか、と思いを巡らしてしまいました(苦笑)。
ストーリー破綻がない
『マイ・インターン』の特徴のひとつとして、「起伏のない物語」というのが挙げられると思います。「起伏がない」というのは、一般的な映画の感想としては明らかなマイナス要素です。多くのおもしろいとされる映画や小説・漫画は、往々にして勧善懲悪。悪に善が勝つ、時に善が悪によって窮地に立たされながらも、最後には善が勝つからこそカタルシスが生まれ、「良い作品」という評価を得られます。
『マイ・インターン』には、「完全な悪」というのが存在しません。一応、ジュールズの夫が浮気をしており、それに思い悩むジュールズというのが、本作の悪的なポジションにあたると思われますが、「完全な悪」と評すには弱めです。
なので、往々にして『マイ・インターン』のストーリーは起伏がないという風に映ると思われますが、個人的にはその浮き沈みの少なさこそがこの映画の魅力かと('▽'*)
どういうことかというと、「破滅的な悪」や「圧倒的な絶望」のない方が現実味が強い、ということ。
家庭がうまくいかない、仕事が思うように回らないというような誰しもが経験するようなことが物語に自然と折り込まれ、それが最終的には救済されていくというのは、ある意味で私たちが最も手に入れたい理想でしょう。
その理想がスクリーンの中で完結された時の衝撃や感動というのは、時におどろおどろしい悪魔が、正義の味方の必殺技によって倒されるシーンのそれに勝るとも劣らないということを、『マイ・インターン』は教えてくれました♪
笑いあり
物語の中で、ジュールズが誤って自らの母親に送ってしまったメールを削除するために、ベンたちがジュールズの母の家に忍び込むというシーンがあるんですが、ここはおもしろい(笑)。もう明らかにミッションインポッシブルのパロディーなんですが、なんかもう前後のストーリーとの乖離が凄まじくて笑ってしまいました(☆゚∀゚)
ぶっちゃけこのミッションインポッシブルのパロディーシーンがなくてもストーリーは繋がりますし、全体のストーリーを俯瞰してみた時に明らかにこのシーンだけ浮いちゃってて異質なんですが、なんか閑話休憩的な感じになっていて、観ていてとても和みました(笑)。
「緊張と緩和」という映画のセオリーをむりやりぶち込んでいる感じなんですが、逆にその異様さが心地よくなっているから不思議です(゚∀゚)
打ち解ける
ベンとジュールズには最初距離がありました。ジュールズの方がベンを煙たがっているんですが、徐々に二人の距離は縮まっていき、最後には互いを尊敬し、認め合う間柄になります。
その距離を縮める過程で使われていた小道具のひとつが「フェイスブック」でした。
フェイスブックの登録に手間取っているベンに、ジュールズが手を貸す形で、ベンの好きな言葉や尊敬する人など、ベンの人となりを知っていくというシーンがあるんですが、これが非常に巧みですね。
パソコンやインターネットに疎いベン、対してそういった類が得意で第一線で活躍しているジュールズという、いわば二人は両極端にいる間柄だということを浮き彫りにしつつ、それを親密になるきっかけに見立てているところが極めて巧みです。
このシーン、同時にピザ食べながらパソコンいじってて、パソコンが油でベタベタにならないかな・・・という変な心配もしてしまいました(笑)。
遅いよ
先に書いたとおり、『マイ・インターン』の最大の見せ場というのは、ジュールズが夫との間にある問題を解決し、人生を次のフェーズに進めるというところにあります。で、あるにもかかわらず、「ジュールズの夫が浮気をしている」という事実を提示するタイミングが遅すぎます。
鑑賞する側からすると、ジュールズ自身がいかにして夫の浮気と向き合い、心を傷めつつも、どうやってそれを乗り越えていくのかというところをじっくりと観たいのに、なんかパッと夫の浮気が出てきたら、あれよあれよという間に解決しちゃった、という印象を受けてしまうんですよね~。
このあたり、「浮気の事実」をもっとストーリーの前の方で提示しておかないと、なかなかジュールズに感情移入もできないですし、カタルシスも薄くなると思います。
この点がちょっと残念でしたね。
まとめ
総合的に観て、非常に味わい深くて素敵な映画でした!『マイ・インターン』はロバート・デ・ニーロ演じるベンが太極拳をしているシーンに始まり、同じく太極拳をしているシーンで幕を下ろします。
太極拳のあのゆるやかな動きが、まさに『マイ・インターン』の世界観を象徴していますね(^∀^)
ゆるやかに流れる日常の中にある見落としがちな人と人とのつながり、そしてそのつながりによって救われているという紛れもない事実。
そんなことを、『マイ・インターン』は私に語りかけてくれました。
人と人との出会いやつながり、それによって人の人生は好転していくということを固く信じたくなる、そんな素敵な内容・映画でしたね(☆゚∀゚)
※上記の評価・感想は、全て個人的な主観に基くものです。ご参考程度にしてくださいませ。