豚肉
2015年1月27日(火)にテレビ朝日系列で放送された「林修の今でしょ!講座」のテーマは、「豚肉VS鶏肉 食べ分けて健康に!」でした。

風邪、乾燥肌、血管の病、ダイエット、むくみ、貧血、疲労回復という、身近な病気や症状の際に、豚肉と鶏肉のどちらがその症状を回復させ、健康体にしてくれるのか、が詳しく説明されていました。


豚肉と鶏肉。今の時期に嬉しい鍋物にも重宝される食材で、私も大好きななんですが、これらに期待できる健康効果を熟考したことはあまりありませんね。

鶏肉にコラーゲンが多いとか、豚肉はビタミンが豊富とか、せいぜいこれぐらいの情報量しかありません。しかし、意外と言っては失礼ですが、豚肉と鶏肉には健康効果が期待できる成分がふんだんに含まれているんです!

豚肉と鶏肉、それぞれがもつ成分をしっかりと把握することで、風邪、乾燥肌、血管の病、ダイエット、むくみ、貧血、疲労といった、数々の症状を改善させることが期待できます。


豚肉・鶏肉の健康効果についてレクチャーしてくれたのは、肉中心の食事療法を提案し、「肉ドクター」という異名も持つ、沖縄・こくらクリニック院長の渡辺信幸先生。

以下、そのレクチャーの内容を、簡単にまとめました。

鶏肉
◆風邪をひいた時は、鶏肉を食べる!
鶏肉に含まれるビタミンAは、弱ったのどの粘膜を強くする働きがある。 

また鶏肉のタンパク質は、体温を上昇させ、免疫細胞を活発化させてくれる。 

オススメの料理は「チキン南蛮」。 
肉ドクターこと渡辺先生は、風邪の時こそ、鶏肉・油を食べるべき! という、いわば今までの常識を覆すような提案をされていました。

風邪の時に食べる物と言ったら、お粥に、フルーツが定番ですが、とにかく鶏肉だと(笑)。


そもそもビタミンAには、粘膜の細胞分裂(=入れ替え)を早め、元気にする働きがあり、鶏肉には豚肉の7倍ものビタミンAがあるとのこと。

つまり鶏肉を食べることで、健康な粘膜を保持し、風邪のウイルスに対抗することができるんですね。


加えて、鶏肉のたんぱく質は体温を上昇させてくれます。体温が上がれば、体内にいる免疫細胞も活発化し、ウイルスを撃退してくれるとのこと。


鶏肉のビタミンAとタンパク質のダブルパンチで、風邪のウイルスをやっつけてくれるというわけです。

ちなみに、渡辺先生いわく、お肉は野菜よりも消化に良いので、風邪の時でもお肉を食べてOK、むしろ風邪の時こそ食べるべし、とおっしゃっていました!


そして風邪の時に食べるべき鶏肉料理として紹介されたのが「チキン南蛮」。

ビタミンAは、それ単体ではなかなか体に吸収されませんが、油と一緒ならスムーズに吸収されます。衣とマヨネーズには油があるので、まさにピッタリというわけですね。

加えて、タルタルソースに使われている卵にもビタミンAが含まれているので、まさに「チキン南蛮」は風邪対策として間違いのないメニューというわけですね!


風邪の時に、鶏肉を食べるなんて発想が端からないので、この健康情報は目から鱗♪ 林先生も、この新常識には驚愕していました。



◆ダイエットには、豚肉が効果的!
豚肉には、「脂肪燃焼の仕掛け人」と呼ばれる成分「カルニチン」が含まれている。

カルニチンは、脂肪を燃焼させる働きをもっており、カルニチンを多分に含む鶏肉を食べれば、脂肪の燃焼は促進される。 
鶏肉にももちろんこのカルニチンという成分は含まれていますが、なんと豚肉は鶏肉の約7倍もの量のカルニチンを含んでいるとのこと。その差は歴然ですね。


加えて、豚肉の脂肪には、「アラキドン酸」という脂肪酸が入っています。この「アラキドン酸」は、幸せホルモンの材料で、脳内の快感神経を刺激し、満腹感をもたらしてくれます。つまり、豚肉を食べれば、間食・食べすぎが減るというダイエット効果が期待できるということ。


カルニチンとアラキドン酸の働きがあるので、豚肉はダイエットにもってこい! というわけですね♪

ちなみにカルニチンは熱に弱いので、豚肉の調理法としては「しゃぶしゃぶ」がベストとのこと。薄い豚肉を、軽く湯通しして食べれば、問題なくカルニチンを摂取できます。


ちなみに番組内では、3人の被験者が豚肉中心の食生活を送り、見事ダイエットに成功していました。豚肉中心生活のルールは次のとおり。

①豚肉ならどんな料理でも良い。
②どれだけ食べても良い。
③ひと口30回噛む。
④穀物・果物・根菜は極力控える

以上4点を遵守した生活を1週間送った被験者3人は、見事全員減量に成功! 最大で4kg減った方がいました。豚肉おそるべし!

豚肉は料理のバリエーションも豊富なので、ダイエットする上では、非常に心強い味方と言えそうですね♪



◆疲れた時には、豚肉を食べる!
疲労回復には、豚肉を食べると良い。

体が疲れる原因は、ビタミンB1の不足によるもの。ビタミンB1には、全身に栄養素を運ぶと同時に、老廃物を体の外に出してくれる働きがある。

豚肉には、このビタミンB1が多分に含まれているため、疲労回復の効果が期待できる。
ビタミンB1が足りていな状態だと、細胞に老廃物が溜まって、疲れを感じてしまいます。これが俗にいう疲労感ですね。

ビタミンB1を体の中に入れてあげることで、疲れはとれていきます。その際、有効な食材が豚肉。なんと豚肉には、鶏肉の約10倍ものビタミンB1が含まれているとのこと!


豚肉の中に多分に含まれるビタミンB1を、より効率よく摂取する料理として、渡辺先生が推奨しているのが「豚汁」です。

理由は明快で、ビタミンB1が水溶性のビタミンであるため。豚汁なら、水に溶けだしたビタミンB1も、汁ごと余すことなく摂取できるというわけです。

加えて、豚汁を作る際に使われる味噌には、ビタミンB1の吸収を助けるマグネシウムが入っているため、非常に理にかなっているんですね♪


疲れた時には豚汁を! これを合言葉に、これから生きていこうと思います(笑)。



◆貧血の時には、鶏肉を食べるべし!
「貧血」という症状は、血液の中の赤血球が不足した時に起こる。

鶏肉は、赤血球を作る栄養素「葉酸」と「ビタミンB12」を併せ持っている。
鶏肉には、赤血球を作る「葉酸」が、豚肉の、なんと約11倍も多く含まれているとのこと!

また「葉酸」を効率よく摂るには、調理法も大切で、渡辺先生いわく、もっとも良いのは「焼き鳥のレバー」。

「レバー」は、鶏肉の部位の中で、もっとも「葉酸」を豊富に含んでいるとのこと♪


貧血に悩んでいるなら、とりあえず焼き鳥屋さんへ猛ダッシュです!(笑)



◆乾燥肌に良いのは、鶏肉!
鶏肉に多く含まれるビタミンAは、肌の水分を保つ「ヒアルロン酸」を増やしてくれる。

また、鶏肉の皮の部分には、肌に良いとされる「コラーゲン」が含まれている。 
風邪のところでも出てきた、鶏肉のビタミンAが、ここにも登場!

「ヒアルロン酸」というのは、簡単にいえば「水の貯蔵庫」みたいなもので、ビタミンAは、この「水の貯蔵庫」を増やしてくれるというわけ。

ビタミンA(=ヒアルロン酸)とコラーゲンのダブル効果で、鶏肉は、みずみずしい肌をゲットする手助けをしてくれます♪


そして、乾燥肌対策としてオススメの料理は「フライドチキン」。

フライドチキンなら、皮にある豊富なコラーゲンを残さず摂取できる上、ビタミンAの吸収に必要な油も同時に摂取することができます。

番組内では、先の豚肉料理中心生活と同じ要領で、被験者3人に鶏肉料理中心に1週間過ごしてもらっていました。結果は見事に3人とも肌の水分量アップに成功していました! 鶏肉すごい!


乾燥肌でお悩みの方は、積極的に鶏肉を食べるようにしましょう♪



◆むくみに良いのは、豚肉!
「むくみ」は、血管から水分が染み出しすぎて起こってしまう症状。この水分量を調節してくれるのが、血管の中にある「タンパク質」。

豚肉には「タンパク質」が多く含まれているので、豚肉を食べることで、むくみの発生をおさえることができる。 
「むくみ」が起こる原因としては「タンパク質」の不足のほか、「ビタミンB1」の不足も挙げられます。

「疲労回復」のところでも書きましたが、ビタミンB1が不足すると、体内に老廃物が溜まり、疲労感を感じるとともに、それがむくみにもなってしまいます。つまりビタミンB1の不足も、むくみの原因なんですね。

先にも書いたとおり、豚肉はビタミンB1も豊富ですから、タンパク質・ビタミンB1のダブル効果で、むくみを撃退してくれるというわけです♪


むくみの改善に効果的な料理は、「豚肉の生姜焼き」です。

ポイントは、生姜焼きに、玉ねぎを混ぜるということ。玉ねぎには、「硫化アリル」という成分が含まれていて、これはビタミンB1の吸収を助けてくれます。

加えて、味の決め手になっている生姜には発汗作用があり、水分を体外へ出してくれるので、むくみに効果的とのこと。


むくんだ際は、玉ねぎをふんだんに入れた、豚肉の生姜焼きを食べるようにしましょう!



◆脳卒中などの血管の病に良いのは、豚肉!
豚肉は、パパイヤなどと混ざることで、「ポークペプチド」という成分を生み出すことができる。

この「ポークペプチド」は、血液の中の血小板がかたまるのをおさえてくれる、すなわち血栓を溶かす働きがあり、脳卒中をはじめとした血管の病には有効。 
「血液をサラサラにする」というと、魚のイメージが強いんですが、実は豚肉も有効な食材なんだとか!

ひとつ気をつけなければならない点は、豚肉自体に「ポークペプチド」があるわけではなくて、パパイヤやパイナップルなどに含まれる酵素と合わさることで、初めて「ポークペプチド」が生まれるという点。

なので、調理法が非常に大切になってきます。

「ポークペプチド」を効率よく摂る、最善の料理は、ずばり「酢豚」です! パイナップルの酵素「パパイン」と豚肉が合体することで、「ポークペプチド」が生まれます。

酢豚はちょっと面倒という方は、パイナップルジュースに、豚のもも肉を浸し、それをステーキにして食べてもOKとのこと。


血管に不安のある方は、積極的に豚肉を食べるようにしましょう! もちろんその際は、パパイヤやパイナップルとあわせて♪



◆さいごに
身近な食材の鶏肉と豚肉ですが、思いのほか栄養があり、さまざまな症状の改善に期待ができるんですね。

大切なのは、どんな症状の時に、鶏肉と豚肉のどちらが、そしてどんな調理法で食べるのが良いのかということを知っておくこと。

今回学んだ内容を、日々の生活に少しずつ活かしていこうと思います!